2022年12月にスクウェア・エニックスから発売されたRPGである「トラゴンクエストトレジャーズ」のレビュー・評価を行っていきます!
DQ11に登場したカミュとマヤの幼い頃の物語ということで注目を集めている作品ですね。
良かった点・気になった点 簡易まとめ
・カミュとマヤの幼少期がとにかく可愛い
・モンスターもかわいくて冒険するのが楽しい
・フィールドが広大で処理落ちや3D酔いも少なく冒険できる
・幼いカミュマヤの初めての大冒険を描いた王道ストーリー
・過去DQ作品にまつわるお宝をゲットするとニヤリとできる
・モンスターの種類が圧倒的に少ない
・トレハン要素が主人公達の強化につながっていない
・エンドコンテンツが人によっては刺さらない
・UIや操作性は甘くロード時間は長い
「ドラゴンクエスト(DQ)トレジャーズ」のゲーム概要
バイキング船で暮らす仲良し兄妹のカミュとマヤは、ある日、ふしぎな精霊たちに導かれて異世界に迷い込む。
ドラゴンクエストトレジャーズ 公式HPより
「はてしなき竜の大地」と呼ばれるその世界は、「7つの竜石」とたくさんのお宝が眠るという伝説の地だった。
ふたりは、モンスターだらけの大地で、
ずっと夢見てきたお宝探しの大冒険をスタートさせる!
DQトレジャーズはDQ11で登場した兄妹であるカミュとマヤの幼い頃を描いたシリーズ番外編の位置づけとなる作品。
トレジャーライフRPGと謳われており、モンスターだらけの異世界を駆け巡りながらモンスターと戦い仲間にしたり、気になる場所を探索したりしながら「お宝」を見つけ出すゲームとなっています。
フィールドは3Dマップで最大3匹の仲間モンスターと一緒に冒険できるのが特徴ですね。
良かった点
カミュとマヤの幼少期がとにかく可愛い
主人公としてこの兄妹を持ってきたのは流石スクエニと言いたくなります。ナイス!!
DQ11の相棒ポジションのカミュとその妹のマヤですが、特にカミュは大人気で彼を主人公とした番外編ゲームを待っていた人も多かったのではないかと思います。
幼少期の彼らは可愛く・年頃特有の素直さや生意気さもきちんと描かれておりプレイしていて本当に楽しいものでした。
プレイすることになるキャラクターが可愛かったりカッコよかったり自分好みだったり愛着があったりするとそれだけゲームへの熱中度も高まると思っているので非常に良かったです。
かわいいモンスターが多くて冒険が楽しくなる
主人公たちだけでなく登場するモンスターもかわいいモンスターがいます!
- スライム
- キングスライム
- ドラキー
- キラーパンサー
などなど、DQ好きなら仲間モンスター達と3Dマップを冒険できるって考えるだけでワクワクしますよね!
仲間モンスターと広大なフィールドを探索してバトルしてお宝探しができるという体験だけでも非常にに楽しいものでした。ドラクエに良いコンテンツが生まれたなと思ったほどです。
また、仲間モンスターは「探索連携」というフィールド上で使える技のようなものを覚えており、
- モンスターの上に乗ってダッシュ
- モンスターに乗ってハイジャンプ
- モンスターに捕まって滑空飛行
などができます。モンスターの系統によってどの技を覚えるかは決まっている(スライム系統ならハイジャンプ)ので、
「ハイジャンプするモンスターが必要だけどどの子を連れて行こう?」
といったことで編成も悩んだりしちゃいます。
そして今回はモンスターに掛け声ボイスがついているのも特徴の一つです。一緒に冒険していると、モンスターがモンスター語(?)で喋ってくれます。
喋るといっても人間みたいに話すわけではなく鳴き声みたいなものですが、これがカワイイものから「えっ、君そんな声だったん?!?!」と思わず言ってしまいそうになるモンスターまで。意外性も含めて楽しめたポイントですね。是非ゲーム内で確認してみてください。
フィールドが広大で処理落ち・3D酔いも少ない
冒険するフィールドとして特徴ある5つのマップが用意されていますが、画質自体もswitchとしてはなかなか綺麗で処理落ちも少しありますが目立つ程ではありません。
オブジェクトの描画距離も個人的に問題ないレベル。
そして3Dに付きものである3D酔いに関しても、私個人としては初日のプレイには少し違和感があったくらいで、その後は全然酔わなかったのも嬉しいポイントでした(ポケモンSVはクリアまで酔い続けたレベル)。おかげでクリアまで純粋に楽しむことができました!
ただ酔いに関しては個人差があるので、あらかじめ体験版で確認するのが一番です。発売当初はありませんでしたが今は体験版が公開されています!
広大な3Dマップが用意されてても、処理落ち多発にゲーム酔いが重なると遊ぶ気が失せてしまいますから非常に重要なポイントだと思っています。
カミュ・マヤの初めての大冒険を描いた王道ストーリー
モンスターを仲間にしてトレハンするのがメインだからストーリーは取ってつけたようなレベルかなとプレイする前は思っていたんですが、蓋を開けてみると兄妹の大冒険をきちんと描いており個人的にはある程度満足することができました。
クリスマス商戦前に売り出されたこともあって低年齢層にも考慮している部分が多く見受けられ、ストーリー自体に複雑性や意外性はないですが、その分丁寧に幼少期の冒険王道ストーリーを繰り出してきたなという印象です。
ただストーリー中盤あたりがボリューム不足が見られた点は少し気になるなという感じです。
価格とは要相談になりますが、DQ11のカミュが大好きならプレイしても損はないかなと思います。
お宝は過去DQ作品関連のモノが多く思わずニヤリとなる
お宝(トレジャー)を集めその価値によって拠点をレベルアップしていく本作ですが、トレジャーはDQの過去作由来のモノがたくさんあります。
「ひのきの棒」「はがねのつるぎ」といった武具から、「歴代主人公の像」であったり、ネタバレになると嫌なので伏せますが歴代のちょっとした小物までもがお宝になっており、過去DQが大好きな人にとっては「えっ、こんなものまでお宝になってるの?!」と笑ってしまうようなモノまで出てくるのでニヤリとします。
気になった点
ここまで良かった点を述べてきましたが、このゲーム残念な点も多数あるので書いていきます。
とにかくモンスターの種類が少ない!
基本種族が約17種族(スライムやドラキー、さまようよろいなど)、各種族に同系統の別モンスター(スライム系統の別モンスターとしてスライムベスやキュートスライムなど)が存在し現時点で80種類に届かない程度いるのみ。
80種類と聞くと「まあまあ多いのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、基本的には同系統モンスターの種類を増やすことでカサ増ししているだけです。
本作はあくまで「お宝探し」が主目的であるためモンスター数がある程度絞られているのは理解しますがちょっと少なくて悲しかったです。
「スライムナイト」も「はぐれメタル」も「ホイミスライム」も「バトルレックス」もいないのはただただショック。
全80種類でも同系統モンスターによるかさ増しではなく、種族数自体がもっと多かったらまた違っていただろうなあという印象です。パーティ編成する上でも、前述の探索連携技はモンスターの系統によって覚える技が決まっているため、結局似たりよったりなパーティになりがちでした。
お宝さがしを求める人にとっては些細なことだと思いますが、DQの色んなモンスターと冒険できると期待している人にとっては残念な点となります。自分が何を求めているかで変わってくるポイントですね。
トレハン要素が強化・成長に繋がらない
本作でのトレハン要素は言うまでもなく「お宝さがし」です。お宝を発掘して拠点へ持ち帰ることで拠点がアップグレードされコレクションが増えていきます。
ただあくまでコレクションするだけのものであってそれ以上のものではありません。
トレハン要素が仲間の成長にも上手く作用しているゲームだと、
・持ち帰ったお宝そのものが強い装備品であったり
・持ち帰ったお宝と何かを交換することができ、交換したものを用いて主人公達を強化していく
等といったシステムがあるのですが、本作にはそういったゲーム性へ寄与する要素がありませんでした。
始めたての頃は「あ、これはDQ◯◯で見たやつだ!これもお宝になっているんだー」などと懐かしさもあって楽しめましたが、ゲームを進めるにつれその楽しさも薄れていき「何を集めさせられているんだろう…」という感想に変わっていきました。
唯一主人公達の強化に繋がるものとしては、装備可能な「コイン」があります。コインはモンスターを倒した際に稀に落とすアイテムで、装備することで仲間のステータスが上昇します。ただコインを集めるだけでは流石に飽きますしトレハン要素という意味では少し弱かったです。
なので本作のトレハン要素を評価する上で、
◎ コレクションしていくことに価値を見いだせるなら断然オススメできる
✕ 仲間の成長や強化に求める人にとっては、コンテンツとして非常に弱い
となります。合う合わないがはっきりする部分ですね。
エンドコンテンツが人によっては刺さらない
トレハン要素にも繋がるのですが、結局「おたから」をコレクションしていくこと自体がエンドコンテンツなのでこれが好きかどうかで評価がガラリと変わります。
歴代のお宝を集めてニヤリとできる人にとっては最高のコンテンツですし、トレハンには仲間の強化を求める人等にとってはクリア後のコンテンツは薄いです。正直刺さらないことが多いでしょう。
お宝探し以外にもモンスター図鑑コンプリートやコイン集め、クリア後に開放されるランダムダンジョンといった要素もあるためエンドコンテンツがゼロというわけではありません。ただ私にはほとんど刺さらなかったなというのが正直な感想です。
メインストーリークリアまでおおよそ20時間程度で、クリアするまでは楽しい体験ができました。そしてその後のサブクエストなどやって数時間くらい。私はここで終わってしまいました。それ以上続ける面白みを見いだせなかったので。
一方で、コレクションや図鑑埋めトロフィー集めなどが好きでDQ過去作も大好きな友人はクリア後も非常にハマっており、本当に人によって変わってくるなというのを実感しています。
お宝探しにハマればそれこそ数十時間単位で遊べることができるので、自分がどういったタイプかによって全く変わってくるクリア後のやり込み要素となっています。
UIや操作性は甘くロード時間は長い
- UIはもっさり感があり、ボタン入力受付までの時間もあって少し気になる
- 派遣画面や売店などの操作性が悪い
- ロード時間長め。マップが切り替わる際のロードは理解できるが、同一マップ内の電車移動でも長時間ロードを挟むのはいただけない。メニュー出したりマップ画面開いたりでも若干ロードがあるのも減点
- モンスターがドロップアイテムを落とすが自動取得ではなくいちいち拾いにいくのが本当に面倒くさい
などなど、せっかくの楽しいゲームプレイ体験を少しずつ損なっっていく部分があるのが惜しいところでした。
その他の要素
バトルは初心者でもクリアできるくらいの難易度
本作の戦闘はアクション主体であり、主人公は短剣とスリング(ゴム鉄砲みたいなもの)を使って戦っていきます。
スリングは色々な弾を打ち出すことができ、
- メラ弾を打てば魔法攻撃
- ホイミ弾を打てば味方を回復
- バイキルト弾で味方の補助
といったように色々な形でバトルに介入できます。
仲間モンスターは勝手にスキルを使ったりして敵を攻撃してくれるので、弾さえ十分に持っていれば後方から味方モンスターの回復・補助をしながら攻撃をすることができます。そのためアクションにあまり慣れていない人でもコツさえ掴めばクリアするのは難しくない難易度となっています。
あとはレベルも上がりやすいので、無理だなと思ったら少しレベル上げをすれば楽になりますね。
コマンド戦闘方式に慣れているユーザーも多いと考えられますので、適度に簡単な難易度に設定されているなと感じました。
アクション好きの人には物足りないが、普段やり慣れていない人には丁度よい塩梅になっているのではないでしょうか。
レビュー総評
私の評価をまとめると、
- メインストーリーをクリアするまでは楽しめた
- 主人公やモンスターがかわいく、この子達と冒険できて良かった
- バトルはそこそこ
- お宝探しは少し懐かしさに浸れたが、満足には程遠いシステム
- やり込み要素が弱く、求めていたトレハンシステムではなかったためエンドコンテンツには不満
といった感じになります。正直クリアまでならそこそこな評価で3000円程度で買っていたら価格相応に大満足な作品となるところですが、フルプライスとなると当然評価は下がります。
フルプライスの場合のオススメ対象は以下のように考えます。
オススメできる人
○「お宝」自体をコレクションすることが好きな人、図鑑を埋めていくことが好きな人
○過去DQ作品が好きで、関連作品のお宝を見つけてニヤりとしてはまたお宝を探したくなる人
○カミュ・マヤが好きで彼らが主人公のゲームは絶対にやりたい人
あまりおすすめしない人
✕トレハン要素に仲間の成長・強化させるコンテンツを求める人
✕コレクション・図鑑コンプリート以外のエンドコンテンツを求める人
✕ガッツリとしたアクションゲームを求める人
一方で値引きされているならば、DQ好きの人にはオススメできる作品ですね!
正直カミュとマヤが主人公で、モンスターを仲間にして3匹連れて行くことができて、トレジャーハンティングということで自分の中で非常に期待が高まってしまっていたというのもあります。出来ること出来ないことがハッキリしていたゲームであり、特にクリア後要素の評価は人によってバラつくかなと思います。
自分がゲームに対して「何を求めるのか」と、「価格」によって買うのを決めるのが良い作品ですね。
私の友人のように合う人には凄く合うと思うので体験版も是非活用してください!!
この世界観や広大なフィールドでの探索などは楽しめたこともあり、更に改良したゲームが今後発売されれば嬉しいなという感想でレビューを締めたいと思います。
読んでくださった方ありがとうございました。
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