【黄泉ヲ裂ク華】レビュー・評価 快適なシステムでDRPG入門におすすめの作品

ゲームレビュー

エクスペリエンスから発売されているDRPGである【黄泉ヲ裂ク華】のレビュー・評価記事です。戦闘や移動が非常に快適でDRPG入門におすすめな作品となっています。

メインストーリークリアで約40時間。

対応ハードは、Steam(PC)、ニンテンドースイッチ、PS4、XBOX。

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良かった点・気になった点 簡易まとめ

最初に黄泉ヲ裂く華の良かった点、気になった点の簡易まとめを記載しておきます。

良かった点

  • 戦闘と移動の高速化が快適
  • スイッチブーストを駆使した新鮮味のある戦闘
  • トレハンとレベル上げを容易にしたシステム
  • スキル・能力の振り直しが無コストで可能
  • 不気味な雰囲気のある世界観

気になった点

  • 少し味気ないトレハン
  • 壁に体当たりしまくる必要がある面倒くさいシステム
  • 表記が気になる部分が多い

黄泉ヲ裂ク華のゲーム概要

事故に巻き込まれ、閉じ込められた迷宮からの生還を目指せ!
1979年の東京を舞台に展開する、ディストピア・ダンジョンRGP開幕

選ばれしモノだけが就ける地下炭鉱士(アンダーノーツ)
自由自在に能力を使い分け、迷宮を攻略せよ

限界を超えた力「スイッチブースト」
臨機応変に切り替え”黄泉族”へ挑め

”扉”も”ハシゴ”も”架け橋”も!?
”黄泉の花”を駆使して、迷宮を攻略せよ!!

キャラクターメイキングで自分の好みに合わせてメンバーを決定し、地上への生還を目指せ!

黄泉ヲ裂ク華 公式HPより

昭和時代の日本と迷宮「黄泉」を舞台としたDRPG(ダンジョンRPG)作品です。ダンジョン探索を行う「地下炭鉱士」となって最大6人からなるパーティを率いてダンジョン探索を行っていきます。

本作では、

  • 戦闘時に攻・守・速いずれかの味方の能力を向上させる「スイッチブースト」システム
  • 「黄泉の花」を用いることでダンジョンに扉や架け橋や梯子を設置できるシステム

が採用されており、これまでのDRPGとはまた違ったゲームプレイが味わえるのが特徴です。

またゲームの販売形態として、コンシューマーのDL版では、

  • メインストーリークリアまで楽しめる「お手軽版
  • メインストーリークリア後の追加ダンジョンを楽しめる「やり込みDLC」
  • 上記両方が楽しめる「通常版」

が揃っており、とりあえずプレイしてみようかなというような人でも「お手軽版」で気軽にプレイを開始できるようになっています(Steam版では通常版のみの販売)。

黄泉ヲ裂ク華の良かった点

戦闘と移動の高速化が快適

本作では戦闘速度を都度「通常戦闘」と「高速戦闘」を選択できるのですが、この高速戦闘が本当に快適でザコ敵相手の戦闘がノンストレスで終わるのが非常に良かったです!正直全てのDRPGにこれくらいの高速戦闘を実現して欲しいくらいには速攻でターンが終わります。

強敵を相手にする際は敵の行動を確認したいので使用の推奨はしませんが、余裕で勝てる相手には非常に有用であり、トレハンやレベル上げがさして苦痛にならずに済んだのでとても良いシステムでした。

一つ要望があるなら、通常戦闘時でも「特定のボタンを押しっぱなしにしたら高速化する」ようなシステムがあれば更に快適だったかなと思います。

また、戦闘と同じく移動も高速移動が可能です。一度行ったことのある同一層内の場所をマップ上で選択して移動を開始したら通常時の数倍の速さで移動してくれます。こちらも非常に重宝したシステムで、いちいち人力で移動しなくて良い&移動が速いので繰り返しの探索にかかるストレスが減って助かりました。

これらシステムの良さは、DRPGを作り続けているエクスペリエンスの長所だなあと実感できます。

スイッチブーストを駆使した新鮮味のある戦闘

今回、バトルの新要素として「スイッチブースト」システムが採用されています。これは、

  • 超電スイッチ(攻撃力アップ、アクティブスキル1ランクアップ、消費MPゼロ)
  • 耐電スイッチ(被ダメージ減少、状態異常耐性、ターン終了時に味方全員の一部HPを回復)
  • 神電スイッチ(最速行動、命中率・回避率上昇、ターン内に戦闘終了となると獲得宝箱2倍)

という3つのスイッチがあり、各ターンどれを使用するか選択できるようになっている。一度使用すると使えなくなりますが、スイッチを何も使用しない場合に使用済みのスイッチが1つ再度使用可能となります。

超電で火力を出し、耐電で耐えて、神電でトドメというように状況に応じて使い分けることができ、普通のDRPGの戦闘とはまた戦いを楽しめました。また、RPGに付き物のMP枯渇問題も超電時にスキルを使うようにすれば残りMPに悩まされることが少なくなり快適でした。個人的に面白い試みだったなと思います。

トレハンとレベル上げを容易にしたシステム

本作はシンボルエンカウント+ランダムエンカウントのシステムであり、ダンジョン内に初めから配置されている敵シンボルとは別に、「マモノの花」というアイテムを使用すると宝箱をドロップする敵シンボルをマップ上に自由に配置できるようになっています。

ですので「マモノの花」で宝箱持ちの敵シンボルを特定地域に固めて配置することでトレハン場所の出来上がり。敵が強くなってきたなと思ったら、このシステムを利用して簡単にトレハンが出来るようになっています(もちろん敵を倒さないと宝箱は手に入らない)。

戦闘高速化や移動高速化だけでなく、アイテム集めを簡易化するシステムが採用されているのは非常にありがたかったです。

スキル・能力の振り直しが無コストで可能

レベルアップにより、いわゆるスキルポイントと能力向上ポイントが1ポイントずつ獲得できます。それらのポイントを使用してスキル習得と能力UPを行うことができるのですが、本作ではスキルポイントと能力向上ポイントを対価なく振り直すことができます。

そのおかげで色々なスキルのビルドを試すことができるので、編成に悩んでもとりあえず使い勝手を試してみることができて便利でした。

不気味な雰囲気もある世界観

昭和中頃の今ほど文明が発達していなかった日本が舞台であり、それに加えて「黄泉」という超常現象が見られるダンジョンを探索することもあって、少し不気味だけれども何かノスタルジックな雰囲気の世界観を味わえました。

情報一覧から黄泉の敵や黄泉世界の基礎知識といった情報を見れるのも雰囲気作りに一役買っていましたね。

黄泉ヲ裂ク華の気になった点

少し味気ないトレハン

個人的にはトレハン要素が少し味気なかったなという感想を抱きました。

各装備品には、

  • 「金・銀・銅」という3ランクの品質。銅→銀→金の順に極わずかに能力値が高くなる
  • +○○で表現される強化値。強化値を上げるほど能力向上

が設定されています。

ドロップ品でも高強化値のものが出現しますし、拠点で装備品を強化することもできます。基本的には金ランクの装備を狙いつつ強化値を上げていくことがトレハン要素となるのですが、ユニークアイテムがあるわけでも無く、ランダムエンチャントも無いためやや味気なく感じました。

後述しますが難易度は低めなため、最悪火力枠1~2人の武器と前衛の防具がぼちぼち揃えることができれば問題なくクリアできるレベルであったことからも、そこまで熱心に装備集めをすることは無かったです。せっかく「マモノの花」を用いたトレハンが容易になっているのに少し勿体ないなと感じた部分になります。

とは言っても本作のトレハンにハマっている人もちらほら見かけるので、ここは好みが分かれる部分だと思います。

また、装備品自体の種類はそこそこあって良いかなと思うのですが、個人的には名前がイマイチで、例えばカタナの一部を挙げると、

  • 錆びたカタナ
  • 短いカタナ
  • 並カタナ
  • 大カタナ
  • 忍びカタナ

という風な名前となっており、もう少し凝ってたら良かったのになという感想を抱きました。初心者に分かりやすくするためかなとも思いますが、入手した武具の名前を見てテンションが上がるようなものが多かったら嬉しかったなと思いました。

壁に体当たりしまくる必要がある面倒くさいシステム

特定の壁は、「ドアの花」というアイテムを使うと壁の向こう側に通ずるドアを作り出して通行することが出来るようになります。

が、この「特定」の壁というのは体当たりすることでしか判別できないため、ドアを作れそうな壁に向かって延々体当たりするという作業が生まれてしまうことになります。正直この体当たりシステムは非常に面倒くさかったです。極論ですが、結局全部体当たりするなら初めから通路にしてしまえと思ってしまいました(それはそれで面白くないのは分かりつつ)。

表記が気になる部分が多い

装備のカタカナ表記
例えば、刀は「カタナ」、短刃は「タンバ」、鈍器は「ドンキ」といった風に種別を表す部分が全てカタカナ表記になっていました。

正直普段馴染みのないタンバ・ドンキ等といった表記は分かりづらく、好きになれなかったです。外国語を使いたくないなら漢字にすれば良いのにと思ってしまいました。CERO:Dだから子供がやるわけでもないですし。

ステータスのゼロ表記
ステータスの「ゼロ」をグレーで表記して残しているため視認性が悪くなっています(5は05として0をグレーで表記)。最大桁数を表してるのか?とも考えられますが、見づらくなったら本末転倒では?と感じました。必要無いものは見せないのがユーザーフレンドリーだと思います。

その他の要素

難易度は低めでレベル上げも容易なため初心者向き

序盤以降のボス敵はあまり強くなく、DRPG初心者でも問題なくクリアできる難易度設定だと感じました。

序盤はスキル構成の自由度が低いため、ある程度決まったスキルしか取れずボス戦で取れる行動等に制限がありますが、中盤以降は強い技やバフデバフのスキルも加わってくるためそれほど苦労しなかったです。

そして「マモノの花」を自由に設置してレベル上げ&トレハンを比較的簡単に実行することができるので、攻略に詰まってもすぐに味方を強化することができます。

苦労の末に強い敵を倒すのが楽しいと考えるユーザーにとっては味気なく感じる部分ではりますが、DRGPに慣れていないユーザーにとっては程よい難易度で敵が強くてもすぐにリカバリーの効くバランス調整になっていると感じました。

ストーリーは薄味

ストーリー自体はきちんと描かれていますが、それほど文章量があるわけではなく割と淡々と進んでいきます。

物語よりもダンジョン探索がメインですよ、といった印象を受けました。

ダンジョンRPGの入門用として、ダンジョン探索に重きを置きつつ初心者でも問題なくクリアできて、ストーリー展開を長くしすぎずダレさせないような作品として作りたかったのかなと思っています。

黄泉ヲ裂ク華のレビュー・評価のまとめ

以上、黄泉ヲ裂ク華のレビューをまとめると、

  • 高速戦闘・高速移動が非常に便利で低ストレス
  • マモノの華を用いた装備集めでトレハンが容易
  • 難易度は低めなためDRPG入門者向け(ただし物語が薄味な点には注意)

となります。

メインストーリー部分のみとなる「お手軽版」が販売されていることからも、本作は初心者の方でもとっつきやすいように作られている作品で、DPRG入門作としてはオススメできます(雰囲気がやや暗め、CERO:Dである点には注意)。

まずは「お手軽版」をやってみて、ハマったら追加でDLCも買うのが良いと思います。ただしお手軽版があるのはコンシューマー版のみなので、Steam版が良い場合はセールでの購入を狙いましょう。

一方で、高難易度を求めるような人にとってはあまりオススメできる難易度設定では無いです。素直に別ゲーを検討したほうが良いと思います。

戦闘・移動の高速化やトレハンシステムなど非常に便利な機能が沢山あったため、エクスペリエンスさんにはこれらをベースに更に良い作品を生み出して頂けると嬉しいです。次回作に期待しています。

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