【ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団】レビュー・評価 ストーリーが最高に面白い名作DRPG

ゲームレビュー

2020年11月に日本一ソフトウェアから発売されたDRPGである「ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団」の評価・レビュー記事です。物語も最高な作品なのでストーリー上のネタバレは最小限に留めています。

最高のストーリーと可愛いキャラクター、オリジナリティのあるダンジョンシステムに育成要素が魅力のダンジョンRPGです!本当にのめり込んだ作品で、私が2020年度で一番気に入ったゲームでもあります。

2023年1月現在では、PS4・PSVita・Switch向けに発売されており、Steamでも2023/2/15に発売されました!

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ガレリアの地下迷宮の良かった点・気になった点 簡易まとめ

はじめに、ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団の良かった点と気になった点を簡単にまとめておきます。

良かった点

  • ダークな雰囲気がありながらも最高のストーリーとキャラクター達
  • オリジナリティあるダンジョン探索
  • 独自のガウンシステムにやりごたえのある戦闘難易度
  • 転生を繰り返す育成と充実したトレハン要素
  • ロード時間の短さと戦闘高速化による快適さ

気になった点

  • 開発が足りず未完成になったと思わせるクリア後ダンジョンなど
  • 本作とあまり相性の良くないランダムダンジョン
  • 転生周りのユーザビリティをもう1段改善して欲しい

ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団のゲーム概要

不可思議を探す – 愛と勇気の冒険譚

本作は、前人未到の未知なる地下迷宮を舞台に、
1人称視点で進んでいく探索型のRPGです。
特異な集団…”魔女ノ旅団”が地下迷宮に挑むとき、
摩訶不思議な冒険が幕を開けます。

ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 公式HPより

ジャンルはダンジョンRPG(DRPG)で、ダンジョン探索パートとシナリオパートを繰り返しながら物語を進めていくゲームです。

ダンジョン探索に独特なシステムを取り入れていたり、最終的には15人+(サポート25人)の計40人でパーティーを組めるようになる等、オリジナリティあるダンジョン探索が出来るのが特徴ですね。

前作にあたる「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」の続編にあたりますが、前作と世界観は共通なため知っているとニヤリとすることがありますが、本作から始めても全く問題無し。ガレリアが面白かったらルフランもやってみようというスタンスで大丈夫です。

注意点があるとすればCERO D(17才以上対象)という点ですね。

良かった点

ダークな雰囲気がありながらも最高のストーリーとキャラクター達

本当に物語が良い!!泣ける!!

前作のルフランもそうなのですが、このシリーズではシナリオが丁寧に描かれており、しかもそれが物凄く面白い。何気ない会話に伏線が張り巡らされていたり、緩やかな雰囲気からの怒涛の展開で目が離せなくなったりと、泉達也ディレクターの才能が遺憾なく発揮されていて、最初から最後まで楽しめました。

多少残酷な表現であったり、何でこんなことになってるんだという演出があったりしますが、後からそれも分かってくる。ネタバレは避けたいので詳しくは述べませんが、

愛と勇気の冒険譚

の名にふさわしく、是非ともこの物語を味わってもらいたいです。

雰囲気はややダーク寄りではありますが、「ダークな雰囲気やそういう場面があるのは嫌だ」、「DRPGにシナリオなんていらない」という人には合いませんが、苦手でない人には本当に読んでもらいたいストーリーに仕上がっています。

私は途中で1回、ラストで1回涙してしまいました。

そして忘れてはいけないのが魅力的なキャラクターたち。

  • 主人公のユリィカ
  • ユリィカの雇い主となる老魔女マダム・マルカ
  • つっけんどんなペリコ

他にも様々なキャラクターが登場します。大好きになるキャラが多く、感情移入しまくりで情緒が凄いことになっていました。

「このようなキャラクターに愛着を湧くとは思ってもいなかった!!」なんて感じることもあったり。本当に愛すべきキャラクター達を生み出してくれてありがとう、出会わせてくれてありがとうという気持ちで一杯です。

冒険譚という名に相応しいキャラクター達の成長も垣間見えて最高でした。

オリジナリティあるダンジョン探索

ダンジョン自体は、シンボルエンカウント・オートマッピングのオーソドックスなDRPGではあるのですが、「壁壊し」という独特なシステムがあることによって探索の幅が広がっているのが非常に楽しめます。

普通のDRPGだと、「ある特定の壁だけ」壊せたりすり抜けられたりできるようになっているのがほとんどだと思いますが、本作では非常に多くの壁が壊せるようになっています。

壁を壊して向こう側に行ける

壁壊しをするにはリソース(ダンジョンから脱出すると回復)を消費するため、1度の探索で全部の壁を壊せるようになっておらず、「もしかしたらこの辺から新しい道に行けるかも?」といったことを考えながら壁を壊して進んでいくことになります。

壊せる壁と壊せない壁の判別もマップを見れば分かるので非常に建設的でした。

個人的には、従来のDRPGで「隠れ道があるかも!?」と無駄にいろんな壁に体当たりしていくのが大嫌いだったため、本作のように「壊せる壁は示しておく。あとはどこを壊せば道が拓けるかを考えてね」というシステムの方がより面白さが増したように感じます。

そういう意味でも従来のDRPGからも改良を入れつつ、良いところは残すということが出来ていたシステムで非常に印象の良いものでした。

独自のガウンシステムにやりごたえのある戦闘難易度

戦闘に関してですがパーティー編成システムも独特で、ガウンと呼ばれる最大8名からなる部隊のようなものを5部隊編成でき、最大40名率いて戦うシステムになっています。

とは言っても直接戦うのはガウン毎に3人ずつなので、3人×5ガウンの最大15人が戦闘を行う形になっています(残りの25名はサポート要員)。

戦闘時のアニメーションはデフォルメキャラで描かれるため、可愛いユニットがわちゃわちゃと攻撃しているのを見れるのも良かったです。

人数が多くなると煩わしくなりがちな戦闘時の命令ですが、基本的にはガウン毎に命令を与えるため、コマンド選択も5回で良く戦闘のテンポも問題なく仕上がっていました。

戦闘難易度に関しては、なかなかに強いボスや初見殺しのザコ敵もいたりと気の抜けない難易度となっています。ボスの強さはマチマチであったため全ボスに苦労した訳では無いですが、何度か全滅も経験したりと非常に楽しめました。

難易度も途中で変更できますし、育成すればガラリと強さが変わるため、攻略に詰まった場合はレベル上げをして編成を考えて挑めばクリアできるようになっています。DRPGが本当に苦手という人でない限りはクリアできるレベルでした。

転生を繰り返す育成と充実したトレハン要素

育成システム

ユニットには8種以上のファセットと呼ばれる職業のようなものが用意されており、「ピアフォートレス」なら守備力が高く仲間を庇える守備特化、「ラピッドヴェネター」なら素早く後衛から敵を仕留める遠距離アタッカー等それぞれが個性的な特徴を備えています。

また、ストーリーを進めると転生(魂移し)ができるようになり、ステータスが強化されてファセットを変更してレベル1から育成できるようになります。転生を繰り返すことで能力を上げ、アビリティを増やしていき独自のアビリティセットを備えたキャラクターを育てていけるわけです。

中盤以降はこの転生が肝となっており、ボス戦などで詰まっても転生してある程度レベルを上げるとグッと攻略が楽になりました。

トレハン要素

敵を倒した時のドロップ品やダンジョン内の宝箱などから装備が得られますが、装備には「レアリティ」と「二つ名」が設定されており、これらの要素で装備の性能が大きく変わってきます。

また装備の強化も出来るため、ダンジョンで自分好みの性能の装備を獲得し更に強化することでユニットを強くしていくことができます。

結局転生とトレハンが楽しくて、ラスボスまで90時間+クリア後ダンジョンで20時間と約110時間も遊んでしまいました。

手に入れた強い武器を強化して更に強く

ロード時間の短さと戦闘高速化による快適さ

ロード時間は短くて良いです。ゲームを立ち上げた直後のロードが少しある程度。

DRPGやSRPGでもロード時間が気になってしまうゲームもあるが、本作はストレスなく楽しめました。個人的には結構重要なポイント。

前作では戦闘を高速化しても戦闘ログが多かったりと、終盤では多少のテンポの悪さがありましたが、本作ではログがある程度簡略化することもでき、演出簡略化オプションとともに使用することで快適にプレイできるようになっていました。

戦闘のテンポは大事なので非常に良い改善ポイントであると思います。

気になった点

開発工数が足りず未完成になったと思わせるクリア後ダンジョンなど

クリアした人なら分かると思いますが、クリア後の最終ダンジョンが「未完成」な部分が多く見られ非常に勿体ないなと感じてしまいました。

未完成といってもダンジョンが途中で遊べなくなっているというわけではなく、本来面白くする部分の作り込みであったり調整であったりが中途半端であったということです。

それこそ発売当初は、ダンジョンの長さ・帰還ポイントの少なさ・敵のわずらわしさという要素があまりにもストレスフルでこのラストダンジョンの評価は割りと最悪な部類でした。ダンジョンが長く難しい必然的な理由があるため納得はできるが、もう少しやりようがあったのでは?と多くの人が思ったと思います。

現在ではアップデートを重ね、数々の救済要素や調整が加わり大幅に緩和されてクリアしやすくなっています。が、ラストダンジョン攻略の面白さ自体は他ダンジョンと比較すると高くないかなという感じあり、少しイマイチに感じてしまった要素でした。

ただし、クリアした先にあるものを見てほしいので是非ともクリアして下さい!!!必ず!

また、他にも工数が足りず実装できなかったのかなと思わせる要素がいくつか見られ、開発陣が力を出し切った作品としてプレイしたかったなというのを思ってしまいました。

泉達也ディレクター、完成版か次回作を待ってます!!

本作とあまり相性の良くないランダムダンジョン

本作の基本はマップが決まった固定ダンジョンを攻略していくものであるが、一部のみランダムマップダンジョンが含まれています。

このランダムマップダンジョン、あまり本作とは相性が良くなかったと感じました。というのは、DRPGの面白さの一つとして少しずつダンジョンをマッピングしていって、未知の領域を見つけ挑んでいくというのがあると思っており、毎回構造が変わってしまうランダムダンジョンではその楽しさが味わえなくなるからです。

元々ランダムダンジョンを主眼において作った作品であれば、その上で楽しませる要素があるはずなので問題無いでしょうが、あくまで本作は固定ダンジョン攻略が主眼の作品であり、固定ダンジョン攻略と比較すると楽しさは少し落ちてしまった感が拭えないです。

ここらへんは前項で書いた開発工数との兼ね合いもあったりしたのかなと邪推しています。

転生周りのユーザビリティをもう1段改善して欲しい

UI関連など前作から多くの改善が入っているが、転生周りのユーザビリティをもう少しだけ改良して欲しいと感じました。

中盤以降は15人以上もの仲間ユニットがおり、これらをみんな転生してアビリティを付け直すとなるとやはり時間がかかってしまいます。転生画面で今までの転生履歴などを確認できなかったのも残念。

転生システム自体は楽しい要素であるので、ここでのストレスを更に減らすことのできるUIとなったらとても良いなと感じました。

とは言っても前作からは確実にUIも進化しており、比較すると本当に快適になったのも事実。次作での更なる改善を願います。

レビュー・評価のまとめ、個人的おすすめポイント

私の評価をまとめると、

  • ストーリーが最高でキャラクターもみんな魅力的。涙無しでは語れない。神
  • ダンジョン探索やバトルに育成も楽しく、存分にダンジョンRPGとして楽しめる
  • クリア後のラストダンジョンが少し残念だけれど絶対にクリアして欲しい

となります。

特にストーリーとキャラクターがあまりに好み過ぎて最終ダンジョンまでは「このゲーム神作かも!」と思いながらやってました。未完成と思われる要素が実装されていたならその評価は覆っていなかったかもしれません。

実際には少し残念な部分が出てきてしまったため、個人的な最終的な評価としては「名作」となります。

おすすめポイントは、ダンジョンRPGではかつて無いくらいの圧倒的ストーリーの面白さと探索・トレハンの楽しさ。特に声を大にして言いたいのがストーリーの良さ。続きが気になりすぎて空き時間はずっとこのゲームをやっていたくらいです。

DRPG自体多くの人がプレイするジャンルではなく、可愛く描かれるキャラクターとは裏腹に雰囲気もダークなところがあるため人を選ぶ部分はあるかと思います。それでも1人でも多くの人にプレイして欲しい作品だと思います。

そして、もしこのゲームをプレイして「楽しかった!!」となったら是非前作の「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」もプレイしてみて下さい。ルフランも本作同様ストーリーが良く、様々なダンジョンの探索を楽しめる良い作品となっています。

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