【SpellForce Conquest of Eo】レビュー・評価 ターン制ストラテジー×RPGの良作ゲーム

ゲームレビュー

2023年2月に配信開始したターン制ストラテジーゲームである【SpellForce Conquest of Eo】のレビュー・評価記事です。開発元はOwned by Gravity

ファンタジー世界が舞台のターン制ストラテジーとRPGを上手い具合に融合させた良作であり、非常に楽しませて頂きました。

以下は1周目をクリアし、2周目を開始した段階でのレビュー記事になります。現時点でのプレイ時間は60時間程度。

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SpellForce CoEoの良かった点・気になった点 簡易まとめ

はじめに、SpellFoce Conquest of Eo(SpellForce CoEo)の良かった点と気になった点を簡単にまとめておきます。

良かった点

  • クラフトタイプと魔術タイプの選択によって異なるゲーム性
  • 移動する拠点によるゲーム性の進化
  • 要素が解放されるごとに広がる戦略性
  • クラフトと研究に特化した内政システム
  • ゲーム終盤でも操作量が膨大になりにくい
  • ファンタジー系ストラテジーとしてのデザインの良さ
  • 1ゲームあたりのボリューム

気になった点

  • 用意されているのは1マップのみ
  • クエストリストの不在
  • マップ移動の不便さ

SpellForce Conquest of Eoのゲーム概要

『SpellForce』のファンタジー世界を舞台に、不思議なウィザードの塔を受け継いだ主人公が戦いを繰り広げるターン制戦略ゲーム。
さまざまな呪文を習得して周辺の領域に放ち、ファンタジー世界らしいミニオンを召喚し、強力な戦士を育成して世界を旅しよう。戦術が求められるハイペースなターン制バトルで戦おう。

Eoの世界を旅しよう

強力なヒーローを仲間にして冒険に挑み、便利なアーティファクトや素材を見つけ、戦利品を持ち帰ろう。才能ある見習いを探し出し、領地を拡大し、働き手を集め、豊富な資源を手に入れよう。師匠から託された秘密を解き明かし、究極の魔力源である「オールファイヤ」を求めた師匠の旅を受け継ごう。

強大な敵に立ち向かえ

あなたが力を手に入れることをよく思わないメイジもいる。強大な軍勢と、大いなる野望を抱くライバルのメイジたちが立ちはだかる。はたしてあなたは、支配を巡る戦いを生き残ることができるだろうか?自身の領地を拡大するには、魔力源のオールファイヤを支配しなければならない。支配できれば、グリモワールを新たな魔法で満たし、強力なアーティファクトを製作し、塔の拡大と改良を行える。

SpellForce Conquest of Eo Steam販売ページより

ゲームのジャンルは「ターン制戦略RPG」ということで、ターン制ストラテジーとRPGが組み合わさった意欲作であり、ターン毎に複数ユニットからなる部隊を操り、ファンタジー世界を探索しメインクエストを進めていく。

味方軍勢を強化していく主な要素は「魔術」と「クラフト」と「ユニット」。これらが上手く噛み合って強大な敵を倒せるようになるのが非常に痛快でした。

SpellForce Conquest of Eoの良かった点

クラフトタイプと魔術タイプによって異なるゲーム性

ゲーム開始時点で、「クラフトタイプ」と、専門とする「魔術タイプ」を選択できるのだが、この選択によってゲーム性が大きく変わってくる。

クラフトタイプは、アルケミー、ネクロマンシー、アーティフィケーションの3種類存在しており、

アルケミー
献金術師タイプで、消耗品として戦闘で使えるポーションや調合薬などをクラフトできる

ネクロマンシー
死者の魂からアンデッドユニットをクラフトすることができる

アーティフィケーション
グリフ(全ユニットが装備可能、取り外したら無くなる)やアーティファクト(ヒーローユニットが装備可能)をクラフトできる

という特色を持つ。

アーティフィケーションでは非常に強い装備品を作れるため軍団全体の基礎能力を上げやすくなる一方で、アルケミーでは強力な攻撃アイテムや召喚アイテムといった消耗品を作れるため、戦力差がある相手でも戦闘を有利に運んで覆すこともできる(アイテムが無くならない限りは…)。

アルケミーによる攻撃ポーションのクラフト

また、専門とする魔術も「デス」「アースマスター」「エンチャント」「ガーディアン」「メンタリズム」「ネイチャー」と分かれており、その中から2種類選択できるようになっている。それぞれ得意な分野が異なるため研究して使えるようになる魔術が違ってくる上に、魔術同士やクラフト要素との掛け合わせで非常に強いシナジー効果を得ることができる

現時点で私はまだ1周しか攻略していないため確認できているシナジーは少ないが、「この呪文は何の約に立つんだろう?」というようなものでも後々大きな役割を果たすこともあり、シナジー効果を発見するという楽しみも味わうことができた。

本作をプレイしていて、こういった一見役に立たなそうな呪文の活用や、単独でも有用だが1+1が3や4になるような要素を見出すことがこのゲームの楽しみ方の一つであると感じた。

特に初めてシナジーを発見したときの喜びは相当なものなので、1周目のプレイでは攻略情報などはあまり見ずにゲームを進めていき、自分なりの攻略法を見つけていってほしい。

移動する拠点によるゲーム性の進化

このゲームの本拠点は「(タワー)」であるが、なんとこの塔、空を飛ぶことができる。本拠点を自由に移動可能となるのである。

また、塔以外にも「見習い魔術師」という少数しか仲間にできない特別なユニットが、ロッジ(拠点)を1ユニット毎に1つだけ作成できるようになっており、こちらも自由に建て替えることが可能である。

これら塔とロッジの周辺が自領地となり、領地内に存在する資源から自動的に「お金」「研究力」「マナ」などを調達できる。ただし、一部の資源は有限で10ターン程度で底をついてしまうため、塔もロッジもどんどんと場所を変えていく必要が出てくる。

このシステムが絶妙で、主力部隊に合わせて塔を移動させ、周辺の良さげな場所にロッジを作成して周囲を探索しクエストを進め、資源を取り尽くしたらまた新たな未開の地を求めて移動。という次々に新たな地へ進軍していくというRPGライクなプレイスタイルを体現することができる。

一般的なターン制ストラテジーとは自領地の拡張の仕方が異なっており、本作の売りとしている特徴の一つであろう。

拡張しつづける自領地の管理は、ゲームによってはとても面倒になることもあるため、正直このシステムは私にって非常に好印象なシステムであった。

要素が解放されるごとに広がる戦略性

ゲームが進行していくにつれ色々な要素が解放されてゲーム内でやれることが増えてくる。

例えば、始めは大地に立っているだけであった塔が空を飛べるようになり移動拠点となったり、ルームエクステンションという塔内のルームをクラフトによって付加価値を付けて強化できるようになったりするのである。

特にルームエクステンションには非常に強力な内容も含まれており、一気に自軍を強化できたり戦略が変わるほどのものも存在しており、強力な内容のルームエクステンションを探し出すのも楽しみの一つとなっている。

クラフトと研究に特化した内政システム

本作の内政は「クラフト」と「研究」に特化しており、この2つの要素で自軍を強化して、如何に強大な敵に挑んでいくかが一大テーマとなっているように思えた。

 突き進めると強力な呪文などを使えるようになる研究

ヒーローユニットは強いには強いのだが、それよりもはるかにアイテムや装備・魔術の効果が高く設定されている。そのため戦闘によるユニットのレベルアップだけでは軍団の強化はどこかで頭打ちしてしまうが、クラフトと研究(魔術)の要素を上手く使いこなせば非常に強力な軍団を形成できるようになる。

ゲーム終盤でも操作量が膨大になりにくい

内政のメインがクラフトと研究だと述べたが、そのおかげで内政の操作量自体はとても簡潔化されている。自軍の部隊数も基本的にはヒーローと見習い魔術師のユニット数に依存するため、終盤でもメインの戦闘部隊は4~5部隊程度であり、あとは労働者部隊や斥候部隊を動かす程度である。加えて前述の通り拠点数もそれほど増えることはない。

そのためターン制ストラテジーとしては終盤でも操作量がそれほど多くならないというメリットがある。個人的にはゲーム終盤に向けて増加する操作量はあまり好きではないため、この点も好評価であった。ストラテジーゲームは好きだけど終盤の操作量が多すぎるのはあまり好みではないという人にとって非常におすすめである。

ファンタジー系ストラテジーとしてのデザインの良さ

ファンタジー系のゲームの良さの一つとして、様々なクリーチャーや世界の描写の綺麗さや幻想さがあると思っている。その点SpellForce CoEoはクリアしており、モンスター・ドラゴン・ゴーレム・アンデッドといった様々なキャラクターを丁寧に描いており非常に印象が良かった。

1ゲームあたりのボリューム

私の場合は1周目を攻略するのに約50時間程度かかっており、十分なボリュームであったと思っている。1ゲームあたり100時間近くかかるものでも面白いだろうが、その場合周回をする気にならないかもしれないし、今よりも短い場合は流石にボリュームが少なすぎると感じたであろう。

惜しむらくは、この後の気になった点に書いているが「用意されているのは1マップのみ」という部分である。

SpellForce Conquest of Eoの気になった点

用意されているのは1マップのみ

本作で用意されているマップは1マップのみとなっている。ただしゲーム開始時にマップのどの位置からスタートするかを選べるようになっている。位置を変えることで1周目では遭遇しなかったようなサブクエストに遭遇したりするため、周回プレイでもある程度の違いを感じることはできる。

とは言ってもマップが同一であることには変わり無いため登場する街の場所などは概ね同じである。そのため周回での楽しみ方はマップ側に求めるのではなく、自分のプレイスタイルに求めたほうが良い。クラフトタイプを変え専攻魔術を変えれば異なる遊び方を楽しめるようになっている。

まだ見ぬ研究やシナジー要素などが沢山あるため、最低でも私はあと1~2周は楽しもうと思っているが、この1マップのみというのは人によっては気になる点であると思うし、4X系のランダムマップが好きでランダム要素がある中で何度も何度繰り返しプレイしたい人にとっては向いていないかもしれない。

クエストリストの不在

本作はサブクエストが非常に豊富で喜ばしいことではあるのだが、クエストリストが存在しないため長らく触れていなかったサブクエストは次に何をしたら良いのか分からなくなることがある。

基本的にはマップ上でクエスト表示のある場所にいけばサブクエストは進行するのであるが、一部のクエストでは「特定のアイテムをもってこい」や「特定のモンスターを倒してこい」というようなものが存在しており、それらの条件をどこかに書いておいてもらえると非常に助かるのになあと思ってしまった。RPGを謳うのであれば是非とも実装してもらえると嬉しい部分である。

マップ移動の不便さ

一般的なターン制ストラテジーで見られる「縮小マップ」をクリックするとその場所に移動するという機能がないため、現在地から遠いところを見るためにはマウスで一生懸命ドラッグしていくか、演出効果たっぷりのマップ画面を開いて見たい場所を画面中央に合わせてからマップを閉じるということをしなければならない。

自拠点(塔やロッジ)や自部隊には直接画面を飛ばせるためそれほど困ることは多くは無いとは言え、終盤では探索範囲も増えて見たいところも増えてくるため若干の不便さを感じてしまった。

その他の要素

日本語化に関して

本作は現時点では公式での日本語対応は無いが、日本語化ツールを使ってゲーム内で自動翻訳できるため英語で困ることはなかった。以下に日本語化記事を書いているので興味のある方は参考にして頂ければと思う。このツールのおかげで非常に快適にプレイすることができた。

SpellForce CoEoのレビュー・評価 まとめ

私の評価をまとめると、

  • クラフトと魔術によるシナジー発見が面白く、駆使して強大な敵を倒せたときの喜びは最高
  • 空飛ぶ拠点により表現されるRPG要素も良い
  • 終盤での操作量が膨大にならず快適
  • 1マップのみなのが悔やまれる。2マップ以上あれば神だった

となります。

特にクラフトや魔術の組み合わせ等を色々と発見するのが楽しく、このゲームの良いところでした。

空飛ぶ拠点や建て替え可能なロッジのおかげでRPG色を強く感じることができたのも非常に良く、公式が謳っている「世界を旅しながら征服を目指すターン制戦略RPG」をきちんと体現できている作品でした。

もう1マップあれば神ゲーだったなぁという感想もなくはないですが、正直今のままでも非常に面白く、周回プレイも楽しめていますので個人的にはこれ以上を求めるのも酷かなと思います。

ファンタジー世界のターン制ストラテジー(≠4X)を存分に味わうことができる良い作品となっているので、興味がある方は是非プレイしてみてください。魔術とクラフトでEoの世界を征服しましょう。

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